歌舞伎の定式幕は、萌黄、黒、柿と呼ぼれる三色の布を縦に縫い合わせた引幕だが、この萌黄は、自然の若芽の色よりはかなり渋い落ちついた黄緑です。
天然染料で表現できた繭黄色は精々あの程度の黄緑であったのか、それとも江戸時代の好みの反映で渋く染められたのかもしれません。
平安朝からの古い伝統をもつ土佐派の大和絵などに描かれた草地の色も、やはり萌黄の明るさ華やかさの中に、茶の渋さと落ちつきをもつやや鈍い黄緑色です。
歌舞伎の定式幕は、萌黄、黒、柿と呼ぼれる三色の布を縦に縫い合わせた引幕だが、この萌黄は、自然の若芽の色よりはかなり渋い落ちついた黄緑です。
天然染料で表現できた繭黄色は精々あの程度の黄緑であったのか、それとも江戸時代の好みの反映で渋く染められたのかもしれません。
平安朝からの古い伝統をもつ土佐派の大和絵などに描かれた草地の色も、やはり萌黄の明るさ華やかさの中に、茶の渋さと落ちつきをもつやや鈍い黄緑色です。
実盛は白髪を黒く染めて出陣したエピソードの方が有名だが、老人と悔られるのが口惜しさに、若武者のように赤の直垂と萌葱繊の鎧を着けて最後の出陣を飾ったというのも相当な覚悟を表わしているわけだ。
この実盛は、当時―七十にも絵り―という。
萌葱のような明るく華やかな黄緑色は、現在でも、もちろん老齢や成熟を表わすにはそぐわないが、最近のハイティーソが、果して萌葱色を感じさせるような年代であるかどうか。
受験地獄や、青少年の自殺の話題などに接すると、若芽の萌えるはずの季節は、冷たい冬の嵐に遭っているような気がしてくる。